2010年06月11日

ロッテと私


 ロッテは言った。
「生まれ変わったら、パイの実になりたい」
 5月。もう桜も散って、肌寒さもほとんど感じなくなった、春の日。
 ぼくはロッテのひざの上で、ぽかぽかとひなたぼっこをしながらいつもみたいにロッテの話を聞いている。
「だって、パイの実はさくさくしているから」
 ぼくは首をかしげてロッテを見る。ロッテは苦笑しながらぼくの頭をそっと撫でて、遠くを見る。
「だって、人はさくさくした感じにはなれないでしょう?」
 そうだね、とぼくは頷く。
「でもロッテはどうして、さくさくしたいの?」
 ロッテはそうだなあ、と呟いて空を仰いだ。
 たとえばね、とロッテは視線を空にやったまま言う。
「きみがもし、パイの実だったら、そんなことはきっと言わないと思うんだ」
 ぼくは少し考える。もしぼくが、パイの実だったら。
 きっとさくさくしているだけの人生に嫌気がさして、人間になりたいって思うんだろう。人間はさくさくしてはいないけど、そのかわり他のいろんなことができるから。
 ロッテにぼくがそう言うと、ロッテは笑ってまたぼくの頭を撫でた。
「それとも、チョコパイになりたいって思うのかもしれないね。チョコパイはさくさくはしていないけど、そのかわりしっとりしているから」
 いいなあ、とぼくは言った。
 ぼくはチョコパイが大好きだった。袋から出して手でチョコパイをそのままつかんで食べていたら、手がべとべとになってお母さんにおこられたことがあるけど、それくらい大好きだ。
 生まれ変わったらパイの実じゃなくて、チョコパイもいいかもしれない。
「それとも、トッポかな?」
 トッポかあ、とぼくはつぶやいた。
 トッポをたばこみたいにくわえて、カリカリカリって食べるのがなんだか好きだったことがある。おいしいよね、トッポ。
「それとも、キシリッシュかな?」
 キシリッシュはきらいだ。すーってする感じがきらいだ。
 同じ理由で、グリーンガムもきらいだ。ブラックブラック、ありえないと思う。
「それとも、モナ王かな?」
 アイスは大好きだけど、もなかの部分がありえないと思う。嫌いっていうのじゃないけど、だったらアイスだけでいいよ。
「ねえ、ロッテ」
 ぼくはロッテの顔を見て、たずねた。
「どうしてロッテは、そんなにロッテ商品に詳しいの?」
 ロッテは目を丸くした後、くしゃりと笑って答えた。
「それは僕が、ロッテだからだよ」
 よくわかんない、と首をかしげたぼくに、ロッテはなにも答えてくれなかった。そのかわり、またぼくの頭を撫でて、優しい顔をする。
 ロッテのひざは、あったかい。
 

 ところでパイの実って、ロッテでしたっけ?

 

 今回のイベントで、ガムとかチョコとかグミとかアイスとか。普段そこまで頻繁に買わないものが、しかも商品名まるだしで画面に踊っているのを目にして、なんか久しぶりに食べたいなあと思いました。
 ロッテに踊らされている私!
 
 商品の紹介みたいになっているのもご愛嬌。かしこかしこ。
posted by よんちゃ at 03:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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